「冥土と浄土」





 私たちは死後の世界を想像して、二つの言葉で語ります。「冥土」と「浄土」です。

同じようなものと考えられているかもしれませんが、全く違います。

釈尊は浄土を「死後の世界」として説かれたわけではありませんし、「冥土」は仏教以外のものの考え方です。



「冥」は、暗いことを意味する字です。冥土とは暗い世界だと言われているわけです。

どこと比べて暗いかというと、現世です。

「今の世はまことに結構な場所だ」という考え方が冥土という言葉の中にあります。

私はこの考え方 に疑問を感じます。



浄土は、諸々の経典によれば、明るく光り輝く世界だと表わされています。

これは冥土の場合と逆で、娑婆こそが暗い場所であることを意味しています。

なぜ娑婆が暗いかというと、どこへ向いて歩いていけばいいのかわからないからです。



私たちはこの娑婆がどんな場所かをよくよく見るためにこそ、浄土という教えの世界に目覚めなければならないのです。

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