カブトムシの飼育、私の場合/考察


気候環境飼育ケ−ス飼育マット(成虫)エサ(成虫)エサ(幼虫)

気候

 まず、私の住んでいる場所は石川県の平野部で、気候的には日本国内の平均値的な場所だと思います。今はあまり野生のカブトムシを見ることはなくなりましたが、以前はよく街灯に集まって飛んできたりもしていました。普通にカブト ムシが生育できる地域です。

環境(日当たりと温度)

 カブトムシは夏の虫だから暑さに強い、と子供の頃思っていましたが、それは間違いでした。寒さに弱く、暑さにも弱い。直射日光が当たって、ケース内の温度が高くなるところではあっという間にご臨終です。風通しのよい日陰、がベストですね。飼育ケースからは特有の臭いが出るので、屋内での飼育も家族の理解が必要です。わが家では玄関を出てすぐ横の日陰が定位置ですが、ネコやカラスには要注意、プラスチック製の網蓋とネコよけが頼りです。

飼育ケース

 金魚やミドリガメを飼ったりしていたので、60センチのガラス水槽がいくつかあり、成虫も幼虫も、主にこの水槽を利用しております。

飼育マット(成虫)

 成虫の飼育マットは、ホームセンターなどで売っているクヌギチップの一番安いやつを使います。前の年から幼虫が育ったマットをふるいにかけて、糞だけを取り除いたものをそのまま使うこともあります。成虫の住みかのマットは、湿り気以外はあまり気にしません。
 今年は上に広葉樹の落ち葉(こんな物まで最近は売っております)を5センチほどの厚みでかけておいてやりました。カブトは落ち葉を喜んでいたようですが、細長い変な虫がわいてしまいました。たまには日干ししないといけないかもしれません。

エサ(成虫)

 市販の昆虫ゼリーです。ブランドや銘柄などは、私はあまり気にしません。でもなぜか虫達は、緑色のゼリーよりもオレンジや赤い色をしたゼリーの方を好んで食べているような印象があります。緑色のゼリーはずっと残っているのに、オレンジや赤のゼリーはすぐになくなっているのです。ひょっとして着色している物質に対する感受性を持っているのかもしれません。

エサ(幼虫)

 幼虫のエサは、生息するマットがエサでもあります。市販のマットで、クヌギチップに分解酵素を配合したと銘打つ物(フジコン『バイオ昆虫マット』)があり、それと腐葉土(JTブランド)を2:1くらいに混ぜて使っています。


 このマットは袋から出すときに既にしっとりとまとまっている場合が多く、なにかの菌糸が全体を白く覆っています。この菌糸によってマットの熟成が促進 されるのでは、と勝手に推測しています。



いくつかの考察


卵の採集について幼虫のエサについてエサのブレンドについて

近親交配について幼虫の飼育密度について


卵の採集について

 メスはマットの深いところまで潜り込んで活動しますので、どうしても自分が産み付けた卵を潰してしまうことになります。せっかく孵化した幼虫もその活動の犠牲になってしまうと思われます。自然界の広い場所ではなく閉ざされたケースの中ですので、定期的にマットの状態を確認することに合わせて、卵を採集するのがよいと思われます。
 採集すれば卵室を壊してしまうことになるのですが、「お父さんのためのカブトムシページ」に書かれている方法で孵化させることが可能で、しかも孵化率も非常に高いのでお勧めです。このとき注意することは、卵はマットの上に露出させておけばよく、マットで覆わないほうがよいということ(「カブトムシのかいかたそだてかた」より。要するにカビたり腐ったりしてしまうから。)と、なるべく粒子の細かいマットでベッドを作ってあげることです。(幼虫の飼育に”ふるい”は必需品ですね)。それから卵を置く場所にスプーンの背中でマットを押しつけてくぼみを作ると、卵の落ち着きがよくなります。
 くれぐれも、卵の採集は慎重にマットをくずしながらやりましょう。卵はかなり丈夫な物ですが、傷が付けばまず孵化しません。それから人工のベッドに移すときもスプーンなどで運び、直に手を使うことは避けた方がよいでしょう。

幼虫のエサについて

 幼虫のエサには「葉っぱ系」と「木っ端系」の2種類があります。前者は腐葉土、もしくは広葉樹の葉っぱを発酵熟成させた物、後者はクヌギやナラなどの朽ち木をチップにした物です。 複数のメーカーから色々な種類が販売されており 、ある程度選ぶことが出来ます。

 他のサイトの飼育記録を読んでみると、葉っぱ系で失敗した(幼虫が全滅した)という報告がありました。腐葉土で難しいのは針葉樹の葉っぱが混じっていたりする物があること、農薬が混じっている可能性のあること、です。それから、成虫の住みかには問題なくても幼虫のエサには向かないマットもあるのではないかと思っています。ホームセンターのプライベートブランドで安い腐葉土が売られていますが、前記のことが怖いので使ったことはありません。お勧めできる腐葉土は、JTブランドの腐葉土です。(ただ最近、大袋を置いているホームセンターが近くになくなったので、小袋で買うことになってしまいました。)

 それから、腐葉土だけの飼育というのはやったことがありません。

 木っ端系はいくつかのメーカーが出していますし、クワガタブリーダー向けのずいぶんと高価な製品もあります。まあどんな製品でもよいのですが、理想的なのは自然の朽ち木に近い状態のものを乾燥させてチップにした物でしょう。時々、「これ生木を砕いただけじゃねえの?」と思わせられる物があります。ちゃ んと熟成が進んだ状態でチップにしておいてくれればいいのですが、そうでない場合には色々工夫して発酵させる必要があるようです。

 私の場合は、クヌギチップに少し多めに水分を加えたあと密封してしばらく温かいところに放っておき、それから少し乾燥させて水分をとばしてから腐葉土と混ぜ合わせてマットとして使っています。(熟成の度合いだとか、あまり細か いことは気にしていませんけど。それでも育ってくれるカブトは偉いやつ!)

エサのブレンドについて

 娘の夏休みの自由研究にかこつけて、市販の安いマット(大袋で200円) と高いマット(同300円)、それと腐葉土混じりのエサ(安いマットと腐葉土 1:1)のどれがいちばん幼虫を大きく育てるかを調べてみました。すると、高 いマット、安いマット、腐葉土混じり、の順に幼虫が大きく育ちました。高いマ ットはメーカーが「酵素を添加して、幼虫が植物の繊維を分解しやすくしてあり ます」とうたっている物でした。

 ただ、次にクヌギマットのみの物と腐葉土混じりと、 「どちらが好きか」 という実験をしてみると、別の結果が出ました。一つのケースの中にクヌギ マットのみの部分と腐葉土混じりの部分を作り、両方に5匹ずつ幼虫を放したの ですが、2週間後にケースをひっくり返すと、全部腐葉土混じりの方に居ました 。圧倒的に腐葉土混じりの勝利です。

 水分の含有率など、厳密に条件を統制しているわけでもないので何がこの結 果の理由なのかは分かりませんが、考えられる仮説としては、1.腐葉土の味を 好む 2.腐葉土の感触を好む 3.腐葉土には何らかの環境調節効果がある  などが考えられます。3.については湿度かもしれないし、pHかも知れないし 、要因は色々考えられます。

 とりあえず私の実験では、幼虫のエサの好き嫌いとそのエサによる成長率は 一致しない、ということのようでした。

 幼虫のエサの嗜好については、「 幼虫は何のエサを選ぶのか!大実験 (カブトムシ君と遊ぼう!)」にいろいろなデータがあります。

 今年は幼虫が好んで行きたがる「腐葉土とクヌギチップのブレンドマット」 で育てています。

近親交配について

 私の育てているカブトムシは、知人が私の娘にくれた成虫(オス)に市販の メスをかけ合わせて産卵させたものの子孫で、今年で4代目になります。近親交 配は避けたほうがいいだろうと思い、わが家で羽化したオスとメスは別々の飼育 ケースに入れ、それぞれに野生やペットショップのオスメスをかけ合わせていま す。

 近親交配は、あまりよい結果はもたらさないように思います。実は1年目に 非近親交配で元気な幼虫がたくさん生まれたのですが、2年目はあまり考慮しな いで近親同士で交配、産卵させたら(虫達が勝手にしたんですけど)、幼虫の数 がずいぶん少なくなりました(3頭のメスから合わせて1ケタ台)。また、羽化 した成虫も小型のものばかりでした。

 もちろんその年の気温や湿度によってマットの状態が産卵、孵化によい状態 でなかったとかいうことも考えられますが、今年非近親で交配したところ、たく さんの産卵と孵化が見られ、順調に育っているところを見ると、近親交配は産卵 数ならびに孵化率に影響するという仮説は充分に立てられます。

 同じ様なことは 「カブトムシ通信」 の主宰者の方も同サイトで気にしておられました。

幼虫の飼育密度(底面積あたり)について

 幼虫の時期はエサさえ充分にあれば共食いなどということも起こらないでし ょうし、上下で棲み分けられる程度のマットの深さがあればいいと思います。し かし蛹になるときはケースのいちばん底まで潜る(蛹室の2階建ては聞いたこと がありません)ので、このときに底面積あたりの幼虫の数が問題になると思いま す。

 詳しいデータがあるわけではないのですが、蛹室の大きさは、その周囲の壁 の厚みも加えると、最低でも5センチ四方の枠に1個入るのがやっとでしょう。 ペットボトルでの飼育のケースを考えれば、幼虫1匹あたり10センチ四方は底 面の面積が必要な勘定だと思います。

 そうすれば、例えば私のような60センチ水槽を使う場合は、奥行きが30 センチだとすると、6×3で18匹ぐらいは飼える計算になります。今年は大体 これくらいの密度(15匹)で飼っていますが、来年の羽化時期にどうなるか興 味があります。 

 参考までに、全く別の根拠から、同じ数値を出しておられるサイトがありますので、そちらも(「おーぬまのカブトムシコーナー」)御覧下さい。

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